プロペシアとEDとの関係

EDとの関係

悩んでいる

ED(Erectile Dysfunction:勃起不全)は、性行為の際に勃起しない、途中で萎えてしまうなどの症状が起こる病気です。その原因を特定することは難しく、様々な要因が重なって発症するケースも少なくありませんが、一般的には、「器質性 ED」「心因性 ED」「薬剤性 ED」の三つに大別されています。

 

器質性EDというのは、神経の障害や動脈硬化など、神経や血管の病気が原因となっているケースです。勃起というのは、性的な刺激が神経を通じて陰茎に伝わり、陰茎動脈が拡張して血液が性器海綿体に流れ込んで起こる現象ですので、神経や血管に損傷があると勃起不全となる可能性が高いといえます。

 

心因性EDというのは、精神的なストレスによって起こるケースです。日常生活に多大なストレスがあったり、過度のプレッシャーを感じていたりすると性的な興奮が神経に伝わらなかったり、性行為を面倒に感じてしまいます。器質性 EDの患者に中高年が多いのとは逆に、心因性EDは若い世代の患者が多いのが特徴です。

 

薬剤性 EDというのは、薬の副作用で起きてしまうケースです。EDを引き起こす可能性のある薬剤としてよく知られているのは、降圧剤、抗うつ剤などです。降圧剤による血圧の低下は、陰茎海綿体の還流圧をも低下させることとなり、血液を十分に溜めることができなくなってEDを引き起こします。降圧剤を服用している患者を調査した結果、約4割がEDを発症していたというデータもあります。抗うつ剤の場合は、三大神経伝達物質であるアドレナリン、ドーパミン、セロトニンの各受容体を刺激してしまうことで、性欲低下や性機能障害を引き起こします。こちらもED発症率の高い薬剤です。

 

ところで、EDを引き起こす可能性がある薬剤の中にプロペシアも含まれているのをご存知でしょうか。これはプロペシアを服用してEDを発症したと訴える患者が時折りみられるためです。しかし、その発症率はごくわずかです。プロペシアの安全性を検証するための実験では、EDを発症した被験者は約2%だったというデータが残っています。

 

降圧剤によるED発症率と比べると、いかにこの数値が低いかが分かるでしょう。それに、その2%の被験者も、本当にプロペシアの副作用によってEDを発症したのかどうか定かではありません。冒頭で述べましたとおり、EDはその原因を特定することが非常に難しい病気なのです。

 

巷では、プロペシアを服用するとEDになる、という噂がまことしやかに出回っています。これはプロペシアが強力な男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を減少させることで、ヘアサイクルを正常化する薬であることに由来します。男性ホルモンが減少すれば、生殖機能に支障を来すだろうというわけです。

 

しかし、この考え方は短絡的すぎます。

 

プロペシアは遺伝やストレスによって、過剰に生成されるDHTの量を減らすのであって、生殖機能に支障を来すほどDHTを減らしてしまうわけではありません。それに直接DHTを減らす薬ではなく、2型5α還元酵素を阻害する薬です。2型5α還元酵素はテストステロンと結合してDHTに変換されるので、2型5α還元酵素を阻害すれば、結果としてDHTを減らすことになるのです。

 

プロペシアの副作用でEDを発症したという人の多くは、プラシーボ(Placebo)効果のせいではないかという説があります(プラシーボの語源はラテン語のI shallpleaseで、私は喜ばせるという意味)。

 

例えば、風邪をひいている人によく効く風邪薬だと言って飴玉を渡すと、もらった人はそれを信じ込み、何の薬理作用もないのにそれを飲んだら風邪が治ってしまうということがあります。これがプラシーボ効果で、単なる思い込みでも効果を発揮することがあるという現象を指します。

 

つまり、プロペシアを服用するとEDになるという噂を信じ込んだがために、本当にEDになってしまったという説です。この説は推測の域を出ませんが、ED発症の三大原因の一つが心因性であるということを考え合わせると、とたんに現実味を帯びてきます。

 

いずれにしても、プロペシアの副作用でEDを発症するという事例は非常に少なく、確たる裏付けがまだ取れていません。躊躇している間にも、AGAの症状はどんどん進行していきます。プロペシアによる治療は、早く始めるほど効果が出ますので、早期決断をお勧めします。